フランスワインの歴史

 

古代ローマのワインとワイン文化を、怒涛のようなゲルマン民族大移動にさらされながらも、フランスに根付かせたのは、司教と修道院であり、それを今日のフランスのワイン産地に発展させたのはワイン交易である。

フランスのワイン産地は、大雑把の捉えればすべて河川の流域にある。

それは「葡萄栽培が自然条件に大きく左右されるものではあるが、それだけが銘醸地を造ったものではなく、幾世代にも渡る「人為の営み」が重ねられた結果である」と、ロジェ・ディオンが言っているように、ワイン交易が歴史的に河川による運搬によって行われてきた結果でもあるからであろう。

当Webページは、その歴史を6つに分けたが、河川によって分けたとも言える。それは、ライン河(アルザス)であり、セーヌ河(シャンパーニュ・パリ)、ロワール川、ジロンド川(ボルドー)、ローヌ川(ブルゴーニュ)である。

フランスワインの歴史は、地理的に言えば各河川の流域の歴史ととらえることも出来る。

Roger Dion (ロジェ・ディオン 1896-1981)
パリ大学、リール大学を経てコレージュ・ド・フランス教授として歴史地理学を講ずる。
「風景とぶどう畑-歴史地理学に関する試論」「フランスにおけるブドウ畑とワインの歴史」等の著書は名醸地成立に関するバイブル。

 

フランス河川図

 

目次

 

アルザスの歴史(ライン河上流域・・・フランス北東部)
1. 修道院の財政と葡萄栽培
アーロン女子修道院の中世の記録を基に、葡萄栽培がもたらすその豊かな財政を読む。
2. 中世アルザスのワイン商人の活躍と都市の発展
中世のアルザスにおけるワイン商人の活躍を領主・教会との関係を含めて語る。
「グルメ」と言う言葉の起源も探る。
3. 30年戦争とアルザスワイン
30年戦争によるアルザスワインの衰退と奇跡的復活を語る。
4. アルザスゆかりの文化人
クーテンベルグ, パスツール, シュヴァイツアー, ゲーテを語る。
5. アルザス語
蔵持不二也氏の著書「ワインの民族誌」から「アルザス語」について抜粋と本の紹介。
シャンパーニュ&パリの歴史(北部フランス セーヌ河流域)
1. ゲルマン民族の大移動(3~5Ch)
ローマ帝国の崩壊、ゲルマンの部族国家。
2. 初代フランス王ークローヴィス(5Ch)
ガリアの統一とフランス王国(メロビング王朝)の成立。
3. シャルルマーニュ(カール)大帝(8~9Ch)
イスラム勢力の追討とカロリンク王朝の成立(欧州の国家原型の形成)。
4. 都市の誕生(11~12Ch)
都市の誕生ーその機能と構造。
5. シャンパーニュの大市(12~13Ch)
欧州最初の市場町の誕生と中世の商業の勃興。
6. ルイ14世とヴェルサイユ宮殿(17Ch)
太陽王・ルイ14世とヴェルサイユ宮殿の建設、その財政とコルベール
7. 革命の導火線-啓蒙思想(18Ch)
百科全書とサロンとシャンパン
8. フランス革命と居酒屋(18Ch)
もう一つのフランス革命の発端と居酒屋(カンゲット、キャバレー、カフェ、レストラン)
9. ナポレオンとタレーラン&シャプタル(18~19Ch)
傑物外交官タレーランとシャンパン&ドン・ペリニヨン、 シャプタルとシャプタルザション。
ロワール古城歴史散歩(ロワール河流域)
1. ANGERS・・・アンジェ城
プランタジネット王朝の本拠地。「領主と城」について(中世)
2. CHINON・・・シノン城
プランタジネット家とフランス王家の戦い & ジャンヌ・ダルク
3. CHAMBORD・・・シャンポール城
フランス・ルネッサンスとレオナルド・ダ・ヴィンチ(16世紀)& ルイ14世とモリエール(17世紀)
3. CHENONCEAU・・・シュノンソー城
カトリーヌ・メディシス(16世紀)とデュパン夫人(18世紀)
5. AZAY=LE=RIDEAU・・・アゼ・ル・リドーの館
王室財務官 &「法服貴族と売官制度」(16世紀)
6. AMBOISE・・・アンボワーズ城
宗教戦争と新教徒虐殺(16世紀)
7. BLOIS・・・ブロア城
ギーズ公とアンリ3世の殺害 & ブルボン王朝の誕生
8. SACHE・・・サッシェの館
ロワールが生んだ文豪バルザックとラブレー
9. USSE・・・ユッセ城
メルヘンの世界・「眠れる森の美女」
ボルドー&南西地方の歴史(ジロンド河流域 西南部フランス)

1. フランスにおける英国領の始まり (12Ch)
2つの国の王妃・エレオノールとプランタジネット帝国。
2. ボルドーの興隆 (13~14Ch)
国際交易港ボルドーとワイン交易。
3. 百年戦争 (14~15Ch)
ジャンヌ・ダルクと王権の伸張。
4. メドックの始まり (16~17Ch)
ブドウ栽培地としてのメドックの開発と整備。
5. 最初のマーケティングが生んだワイン (17Ch)
ロンドンの著名人を酔わせた「オー・ブリオン」の売り出し。
6. ボルドーの大繁栄 (18Ch)
増大するワイン貿易と砂糖と奴隷貿易による富の蓄積
7. 名醸地メドックの成立 (19Ch)
メドックの葡萄園主の変化とシャトーの建設
8. ロスチャイルド家と葡萄園 (19Ch)
「ギャンブル投機」とCh.ムートン & 「ビスマルクの机」とCh.ラフィット
9. ナポレオン3世と1855年の格付け (19Ch)
ナポレオン3世の政治とパリ万博のボルドーワインの公的格付け。
10. ボルドーの3M
世界の思想をリードした3人のボルドーの葡萄園主、モンテーニュ、モンテスキュー、モーリアック
ブルゴーニュ&ローヌの歴史(ローヌ&ソーヌ河流域 東南部フランス、ジュラ・サヴォワ含む)
1. ローマ時代のワイン交易路と葡萄栽培
ガリアにおけるワイン交易とブドウ栽培地。
2. ローマ時代のキリスト教
ローマ・カトリック教会と西欧州の国家の特徴。
3. 聖職者と葡萄栽培 (中世)
教会・修道院のブドウ栽培とワインとの関わり。
4. クリュニーとシトー派修道院 (10~12Ch)
フランスに於ける修道院の誕生と特徴。
5. 巡礼 (中世)
巡礼路とワイン産地。
6. アヴィニヨンの幽囚(14Ch)
ローマ教皇権力と王権
7. ブルゴーニュ王国の繁栄 (14Ch)
ブルゴーニュ王国の形成と繁栄
8. 中世の巡回する宮廷とその構造 (13~14世紀)
フランス宮廷の特徴とその構造
9. オスピス・ド・ボーヌ (14世紀)
ブルゴーニュ王国財務官ニコライ・ロランとオスピス・ド・ボーヌ
10. フランス革命とクロ・ド・ヴァージュ (18~19世紀)
フランス革命が造ったブルゴーニュワインの性格
11. ロマネ・コンティ (18世紀)
ポンパドール夫人と大貴族コンテ公
12. フィロキセラ (19世紀)
欧州全域を襲った害虫と葡萄栽培
13. シャブリとイル・ド・フランスのワイン (19世紀)
葡萄栽培地に与えたフィロキセラと産業革命の影響
プロヴァンス&ラングドックの歴史(南部フランス、ルーション含む)
1. マルセイユ(紀元前6Ch~)
ワイン文化発祥の地、ギリシャ植民都市。
2. ニーム(紀元前7Ch~)
南フランス最古の町。
3. ナルボンヌ(紀元前4Ch~)
古代ローマの属州の首都、ガリア最初の大規模ワイン生産地。
4. アルル(11~12Ch)
古代ローマの遺跡の町。
5. カルカソンヌ(11Ch~)
2つの海、地中海と大西洋を結ぶ要路の町 & アルビジョワ十字軍。
6. エグ・モルト(13Ch~)
国王の造った自由都市 & 十字軍
7. モンペリエ(12~13Ch)
フランス最古の大学を生んだ中世の国際都市
8. ミディ運河(17Ch)
地中海と大西洋を結ぶ近世最大の土木工事。
9. ペルピニャン(中世~近世)
もう一つの文化圏、カタロニア王国第2の都。
10. コート・ダジュール(19Ch)
世界に誇る最高の保養地。
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